人の名前と顔がすぐに覚えられるといいですよね…。
以下、ネットニュースより抜粋。
新著『図解 10歳若返る!簡単に頭を鍛える法』を上梓した能力開発コンサルタントの高島徹治氏が教える記憶定着のノウハウ。今回紹介するのは、覚えたいものと何かを結びつけて覚える「フック記憶法」です。この方法なら、初対面で次々と名刺交換した人たちの名前や、買わなくてはいけないものリストなども、いちいち名刺やメモを見返さなくても、脳に刻みやすくなるはずです。
記憶法の起源は、古代ギリシャ時代にまでさかのぼります。
それを物語る、こんな興味深い話が残されています。
あるとき、宴会が行なわれていた会場で突然、建物の屋根が落ちてしまい、会場に居合わせたほとんどの人が亡くなるという大惨事が起きました。
遺体の損傷が激しいため、被害者の身元は確認できず、関係者はただおろおろするばかりでした。
そのとき、身元確認に協力したいと名乗りを上げた人物が現れます。詩人のシモニデスです。彼は幸いなことに、事故当時、会場の外にいて、命拾いをした出席者の1人でした。
シモニデスは、亡くなった人の名前を淡々と、1人ずつ口にしていきました。なんと、そらで言ってのけたのです。
その「記憶力」に、周囲の人はすっかり驚いてしまいました。
彼はなぜ、そんなことができたのでしょうか?
それは、各人が座った席と、その人の名前を結びつけて覚えていたからです。
といっても、これだけではなんのことかわかりませんよね。もう少し具体的に説明しましょう。
このときシモニデスが使ったのが、「フック記憶法」です。
それは、「ある特定の順番を持っているもの」と「覚えようとしているもの」を結びつけて記憶する方法をさします。
特定の順番を持っているものとして、よく使われるのは「体の部位」です。
5つの単語を覚えたいならば、それぞれを「頭髪、額、眉毛、鼻、口」といった5つの体の部位(存在する順)と、合体させて覚えることをおすすめします。
この「フック記憶法」を、一緒に練習してみましょう。
● 買うものと体の部位を 結び付けて頭に刻む
上から順番に、体の部位に対応させる「フック記憶法」。
その具体例として、私の買い物の仕方を紹介しましょう。
その日、赤のサインペンと赤いボールペン、ホチキス、のり、定規、プリンターのインクが欲しかったとします。
脳を鍛えるために、あえてメモをせず、フック記憶法を使ってみましょう。
体の部位と買うものとを結びつけて、頭に刻み込めばいいのです。
では、どうやって結びつけたのか――。
(1)頭髪 赤い髪に「赤いサインペン」と「赤いボールペン」を巻きつけている。
(2)額 おでこの傷口を「ホチキス」でとめて、血を流している。
(3)眉毛 左右の眉毛から「のり」が垂れ下がっている。
(4)鼻 「定規」で鼻の長さを測っている。
(5)口 「プリンターのインク」を無理やり口のなかに押し込もうとしている。
かなり刺激的なイメージで、体の部位と、買いたいものを結びつけていますよね。
刺激的で印象に残るイメージをつくる──これが「フック記憶法」の重要な点です。
単に「頭髪=赤いサインペンと赤いボールペン」「額=ホチキス」と、単語を並べてみても、頭に入ってこないでしょう。
そこで、一度覚えたら、忘れたくても忘れられないイメージをつくりあげてしまうわけです。このイメージは、奇抜であればあるほどいいのです。
なぜなら、脳は当たり前のことに対しては、「ああ、いつものあれだな」と、さっと素通りしてしまい、記憶の痕跡さえ残さないことさえあります。
ところが、「おでこの傷口をホチキスで止める」などというゾンビを彷彿とさせるようなイメージには、「おお、こわい!」という強い反応を示すでしょう。
その意味では、多少現実離れしていても、シュールなイメージづくりをするのも、記憶上手になる方法と言えます。
また、ほかの体の部位を使って覚えてもかまいません。手、腹、へそ、足など、自分が覚えやすいと思うものを使えばいいのです。
山手線の駅名になじみがある人は、体の部位を使う代わりに、東京、有楽町、新橋、浜松町……というように、駅名を使うのもいいでしょう。
「フック記憶法」を自由に使えるようになれば、もう買い忘れることはありません。