お寺から学ぶ「三毒」とは?

「三毒」とは何でしょう?

以下、ネットニュースより抜粋。

● 口の中には斧が生えている

「いつも愚痴(ぐち)ばかりもらしている人」が身の回りにいませんか?

不平不満を話すことで、本人はストレス解消につなげているつもりかもしれませんが、それは自分自身を滅ぼす元にもなります。この掲示板は『法句経(ダンマパダ)』の以下の言葉からきていると思われます。

鉄からおこった錆が、
それから起ったのに
鉄自身を損なうように、
悪をなしたならば、
自分の業が罪を犯した人を
悪いところ(地獄)にみちびく。

「法句経(ダンマパダ)」240
中村元『ブッダの真理のことば感興のことば』(岩波文庫)

「愚痴」は、「貪欲」(むさぼり)・「瞋恚」(いかり)と並んで三毒と呼ばれ、人間の諸悪・苦しみの根源とされています。仏教で言う「愚痴」とは、愚痴をこぼすという意味よりも、根源的な愚かさのような意味合いがあり、そこには「妄想、混乱、嫉妬、ねたみ」などの意味も含まれています。

そのような「愚痴」が身を滅ぼすエピソードが『スッタニパータ』という経典の中にあります。コーカーリヤというお弟子さんが舎利弗(しゃりほつ)と目連(もくれん)という優秀な弟子仲間に嫉妬し、お釈迦様に対して「彼らは邪念をもっている」と何度も訴えます。そこには後継者候補の舎利弗たちを教団から追放したかったという意図があったようですが、お釈迦様にはまったく聞き入れてもらえませんでした。その後、彼はお釈迦様のもとを離れ、病気に苦しみ、地獄に落ちたと書かれています。

シェークスピア『ヘンリー8世』の中に、「敵のために暖炉を熱しすぎて おのが身を焦がさぬように」(Heat not a furnace for your foe so hot that it do singe yourself)という言葉があります。コーカーリヤは勝手に舎利弗や目連に憎しみを抱き、敵と設定し、最後に自分自身の身を焦がしてしまったのです。

相手への憎しみのあまり、自分自身が見えなくなることはありませんか?

敵を傷つけようとして、自分自身を傷つけてしまった。皮肉なことです。お釈迦様はこのときに以下の言葉を残されました。

「人が生まれたときには、実に口の中に斧が生じている。愚者は悪口を語って、その斧によって自分を斬り割くのである」

「スッタニパータ」第657偈
中村元『ブッダのことば』(岩波文庫)

普段から悪口ばかりを言っていると、悪口を言う人が周りに集まってきます。そうなると、自分がいないところで周りから悪口を言われているのではないかと疑心暗鬼の気持ちが芽生えるようになり、自己肯定感が下がっていき、と徐々に悪循環に陥っていきます。そして、それがエスカレートすると最後には自分自身の心や体を滅ぼしてしまうのです。

きっかけはすべて「私の口」にあります。みなさんは気づかないうちに口の中の斧で自分自身を切りつけてはいませんか?

「自分を苦しめず、また他人を害しないことばのみを語れ」

スッタニパータ」第451偈
中村元ブッダのことば』(岩波文庫)

発する言葉にはくれぐれも気を付けたいものです。

(解説/浄土真宗本願寺派僧侶 江田智昭)

 

言葉は大事だと常々思います。

良い言葉を使うようにしたいと思っていますが、忘れてしまうこともあります。

このような記事を読み、自分が良い言葉を使えているか振り返りたいです。

感謝してます。

りくりとりっぷホームページ:http://rikuritrip.net/

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