話し上手になるためには、どうしたら良いのでしょうか?
以下、ネットニュースより抜粋。
誰もが知る日本の代表的大企業のリーダー、閣僚、政治家、官僚、病院や大学の理事長など「話し方のスキル」を求められることが多い方々の相談に乗り、「話し方」にまつわる具体的なアドバイスをしてきたのだそうだ。
■話し方は生まれつきの「才能」ではない
日本の大企業のトップに上り詰めるようなエリートの中にも「話すことが苦手で、もっとうまくなりたい」と思っている人がたくさんいるというが、だとしたら興味深い話ではある。
話し方は、生まれつきの「才能」などではありません。
1000人以上の「脱皮」を目撃してきた私だからこそ、自信を持って断言できます。
ちょっとしたノウハウと鍛錬する場と背中を押す人さえあれば、いつからでも学べ、簡単に身につけることができる「スキル」なのです。(「はじめに」より)
ところでコロナ禍の影響で、リモートワークが日常的なものになったという方も少なくないはずだ。しかも感染者が増加していることもあり、その流れが短期間で元に戻るとも考えにくい。
だとすれば今後は、これまでの話し方に加え、モニター越しの“物理的距離”を前提とした話し方が求められていくことにもなる。
とはいえオンラインのコミュニケーションは決して簡単なものではなく、「ズーム疲れ」(Zoom Fatigue)という言葉があることからもわかるとおり、脳に大きな負担をかけるという説すらある。
そこで本書の中から、リモートでのコミュニケーションに役立ちそうなノウハウをピックアップしてみたい。
まずクローズアップしたいのは、リモートでのコミュニケーションにおいても大きな意味を持つであろう「声」についての考え方だ。
声の力と聞いて思い浮かべるのは、やはり「大きさ」ではないだろうか。事実、発言力のある人のことを「声の大きい人」と表現することも少なくない。ところが著者は、声で重要なのは「大きさ」ではないと主張する。
ただ声が大きいだけでは、「同じトーンでがなり立てる、政治家の辻立ちと同じ」だと。そしてそのことについて、自身の体験を引き合いに出している。
私の声はあまり通らず、聞き取りにくいことが悩みでした。
そこで、ニューヨーク滞在時代、俳優でもあるベテランボイスコーチに、ブロードウェーで実際に使われている発声法を教えてもらいました。
声が出る仕組みをしっかりと科学的に学んだのですが、びっくりしたのは、発声は全身運動であり、声は呼吸そのものだということ。
徹底的に体をゆるめ、たっぷりとした息を吐くことが、いい声の決め手ということを知りました。
ゴロゴロ転がりながら発生するなど、体育会さながらのハードなトレーニングのあとは、驚くほど豊かな声量が出るようになるのが衝撃でした。(197ページより)
リモート会議中に転がるわけにはいかないだろうが、「徹底的に体をゆるめ、たっぷりとした息を吐く」という部分は応用できそうだ。
■声は呼吸。3つの基本動作は?
現実問題として、「滑舌の悪さ」という悩みを抱えている方は少なくないだろう。しかし、大切なのは滑舌よりも「声の深みと個性」だと著者は主張する。具体的には、カリスマの決め手は「低音」にあるというのだ。
例えば低めの声の持ち主としては、マーティン・ルーサー・キング牧師や京セラの創業者である稲盛和夫氏などの名前が挙げられている。
アメリカのデューク大学の研究では、低音をもつ男性CEOはそうでないCEOと比べ、1年で18万7000ドル(約2000万円)も多く稼ぐという驚きの結果が出ました。(200ページより)
しかしその一方、若々しさや情熱を体現するのが「高めの声」を持つ人。例えばビル・ゲイツ氏、孫正義氏、ジャパネットたかたの創業者である高田明氏などがそうだというが、高田氏に関しては、普段の声はぐっと低めなのだそうだ。
客前ではあえて「高い声のキャラ」を強調し、テンションと音程を上げているということ。そんなところからもわかるとおり、“声の達人”は、低い声が威厳と落ち着き、高い声が親しみやすさと若々しさを想起させることを理解したうえで、高低を戦略的に使い分けているというのである。
なお、声の基本動作は、
① 息を鼻からぐっと吸って、お腹の「水瓶」に空気をためる
② 歯磨き粉のチューブを絞るように、お腹をへこませて、口から吐き出す
③ その息とともに、口を大きく開けて発生をする
(201ページより)
だというので参考にしたい。
■人間には25万通りの表情がある
人間には25万通りの表情があり、ネゴシエーションの60~80%はボディーランゲージに影響を受けると言われる。
リアルにコミュニケーションをする場合、視線や体の動きなどノンバーバル(非言語)の認知的シグナルである「ソーシャルキュー」を脳が瞬時に読み取る。そこから会話の流れを推察し、表情やボディーランゲージを合わせることで共感関係をつくる。
自然にそうしたことを行い、意思の疎通を図るわけである。
ところが、リモートでの打ち合わせや会議など、モニターを隔てたコミュニケーションではそうもいかない。音質や画質に制限があるため表情も読みづらく、声のズレや重なりが生じる場合もある。
そのため、リアルな状況では無理なく行えるアイコンタクトなどもうまくいかなくなる。また、モニターに映る自分の姿を目にしなければならないことも、細かなストレスにつながるだろう。
また当然のことながら、聞き手の側の集中力も、リアルよりも低くなる可能性がある。
事実、ウェブ会議では、リアルの会議とくらべて25%も話す機会が減るという研究もあるそうだ。
全身の五感で感じ取っていた情報を、目と耳だけで吸収しなければならないリモート環境では、発信者はこれまで以上の努力をしなければ、伝わりません。
聞き取りやすく緩急をつけた声も重要ですし、表情やプレゼン資料の「見せ方」「魅せ方」にもいっそうの工夫を凝らさなければならないということです。(204ページより)
「Zoom会議には不安もあったが、やってみたら楽だった」というような意見を聞くことは多く、私自身もそう感じた経験がある。だが無自覚なまま行ったのでは、さまざまな弊害を生むことにもなりかねないのだ。
著者は、リモート時代の「プレゼンエリート」は人気のYouTuberかもしれないと記している。YouTuberといっても多種多様なので十把一絡げにはできない気もするが、それでも言わんとすることはわかる。
「聞かせ」「見せる」ことへの努力と情熱は重要なポイントであり、それは次の6つに表れるというのだ。
① 豊かな表情
人気のYouTuberには、表情が豊かな人が少なくない。楽しそう、うれしそうな表情だからこそ、見ている人を楽しい気分にしてくれるというわけだ。
② 大げさな動き
動きがなければ、視聴者も飽きてしまう。そこで歩いてみたり、走ってみたり、つねに動きの変化を意識している人が多いという。
③ 現物を見せて、興味を引く
例えばゲームや新商品などの「もの」を見せれば、視聴者は興味を持ち、動画に引き込まれる可能性が生まれる。
④ 効果音をふんだんに使う
強調したい場面、あるいは場面転換などで、効果音がふんだんに使われることが多い。それが動画のアクセントとして機能するのだろう。
⑤ テロップを入れる
テレビでも以前から使われている手法だが、しゃべった内容のポイント、あるいは発言のすべてをテロップで流す人も多い。
⑥ 口語体・会話調を使う
見ている人と会話をしているような語り口にすれば、親しみやすさをアピールできるということ。
もちろん、これらすべてをリモート会議に生かせるわけではないが、それでも①②⑥などは応用できるのではないだろうか。いずれにしても「聴覚」と「視覚」の双方を刺激すれば、直感的に理解し、記憶してもらいやすくなるということだ。
■スーパーエリートのコツをシンプルに学ぶ
この本では、世界のスーパーエリートに学び、「伝説の家庭教師」として、こっそりと、トップリーダーだけに伝授してきた「人の『共感』と『信頼』を勝ち取る話し方の最強方程式」を余すところなく紹介しています。
多くのリーダーから「目からうろこ」とお墨付きをいただいた「世界水準の話し方」の最強テクニックをよりすぐりました。(「はじめに」より)
本書について著者はこう述べているが、しかし難解な内容ではなく、それどころか非常にシンプルなものとなっている。また必ずしも最初から順番に読む必要はなく、50種に分けられた“ルール”の中から必要なところだけを抜粋して読むこともできそうだ。
私も、普段話す時とセラピーの時と声が違うと言われます。
あまり意識していませんが、聞こえやすく、リラックスできる落ち着いた声になるように無意識にやっているのだと思います。
意識して行うと、もっと良い声になるでしょうか?
感謝してます。
りくりとりっぷホームページ:http://rikuritrip.net/