木星と土星が大接近

 ここまで近いのは400年ぶりだそうです。

以下、ネットニュースより抜粋。

太陽系のダイナミックさを感じられる「グレート・コンジャンクション」

 クリスマスを目前に控えた今、星空で珍しいことが起こっている。夕暮れの空を見上げれば、太陽系の2つの明るい惑星、木星と土星がすぐそばにいるように見える。日本で最も近づいて見られるタイミングは冬至の日、12月21日の日の入り後だ(最接近するのは22日の3時ごろだが、日本では地平線に隠れて見えない)。木星と土星がここまで近づいて見えるのはほぼ400年ぶりで、「グレート・コンジャンクション」と呼ばれている。

すばらしいのは、この天文ショーは特殊な装置を使わずに観測できること。空が暗くなり始めたら、南西の方向を見るだけでいい。天体望遠鏡をのぞけるなら、さらに珍しいものを見ることができる。通常のアマチュア用の観測装置で、2つの星が同時に視界に収まるはずだ。木星とその4つの明るい衛星、そして環を持つ土星をすべて一度に観測できる。

だが、12月21日を待つ必要はない。米ロサンゼルスにあるグリフィス天文台でキュレーターを務めるローラ・ダンリー氏は、「21日だけでなく、12月を通して観測すれば、はるかに楽しめるはずです」と言う。「2つの光、木星と土星は、21日までどんどん近づいていきます。もっとも近づいたときは、わずか0.1度しか離れていません」。これは地球から見える満月の直径の5分の1ほどの間隔だ。

それでも、ほとんどの観測者は2つの惑星を見分けることができる。「運転できる程度の視力があれば、最接近したときでも、木星と土星が2つの天体であることはわかります」とダンリー氏は言う。

近いようで遠い

このような惑星の接近は、天文用語でコンジャンクション(合(ごう))と言う。木星と土星の接近は約20年に一度起きるが、その珍しさから「グレート・コンジャンクション」と呼ばれている。それと比べて、内惑星である水星と金星が関わるコンジャンクションは頻繁に起きる。

太陽から離れた惑星ほど、ゆっくり動くように見える。そして、木星と土星は、肉眼で簡単に観測できるもののうち、もっとも遠くにある2つの惑星だ(土星は木星より遠くにあり、物理的にも木星より小さいので、暗いほうが土星だ)。木星は12年で太陽を一周するが、土星は30年かけて一周する。その結果、木星と土星は20年に一度接近することになる。

だが、毎回同じような接近が起きるわけではない。2つの星の軌道は、厳密に同じ平面上にはない(もしそうなら、20年ごとに木星が土星を覆い隠すことになる)。通常は、数度の間隔をあけて通り過ぎるように見える。今年は、地球から見ればちょうど隣同士であるように見えるが、実際には何億キロも離れている。

木星と土星がここまで接近するのは、1623年以来。これは、ガリレオが初めて望遠鏡を夜空に向け、木星の4つの衛星を発見した10年ほど後のことだ。しかし、このときは問題があった。米アリゾナ州にあるローウェル天文台のケビン・シンドラー氏は、「観測しにくかったはずです。2つの惑星が太陽に近い位置にあったからです」と言う(2000年に起きた前回のグレート・コンジャンクションも同様だった)。

「ここまで近く、さらに観測できるものとなると、1226年までさかのぼらなければなりません」。次にこの近さでコンジャンクションが起きるのは2080年だ。

躍動する太陽系

歴史を通して、人類は惑星のコンジャンクションに注目し続けてきた。占星術的に重要な意味を持つ現象と考えられていたからだ。たとえば、14世紀英国の詩人ジョフリー・チョーサーは、叙事詩『トロイルスとクリセイデ』で、1385年のグレート・コンジャンクションについて「土星と木星がかに座で交わり、このような大雨が降り注いだ」と書いている。

世界的な大洪水を予言した占星術師もいたが、もちろんそのようなことは起きない。だから、この天文ショーは安心して見ることができるし、写真を撮ることもできる。

米ルイジアナ州立大学の天文学者、ブラッドリー・シェーファー氏は、「いい写真を撮りたければ、いい機材をそろえ、しっかり練習して十分に実験しておくことです」と言う。夜空の2つの点はスマートフォンのカメラでも撮影できるかもしれないが、デジタル一眼レフカメラや三脚に取りつけられるズームレンズを搭載したカメラのほうがいい写真を撮れるだろう。

「三脚は必要です。また、事前に撮影場所を計画しておいたほうがいいでしょう」とシェーファー氏は助言する。南西の方向に障害物がないことは確認しておこう。

もし曇っていても、心配することはない。アリゾナ州のローウェル天文台を含め、たくさんの天文台がこのイベントをライブ中継している。

ダンリー氏はこう話している。「毎夜観測すれば、太陽系のダイナミックさを感じることができるはずです」

文=DAN FALK/訳=鈴木和博

ナショナル ジオグラフィック日本版

 

特殊な装置を使わずに見られるなら、見やすそうです。

意識して南西の方向を見てみます。

感謝してます。

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