「座りっぱなし」ではなく「ちょこちょこ動く」?

「座りっぱなし」ではなく、「ちょこちょこ動く」方が良いそうです。

 以下、ネットニュースより抜粋。

コロナ禍で健康意識が高まった人も多いだろう。だが、間違った習慣を継続したままだと、思わぬリスクや盲点に陥ることになる。生活習慣には注意が必要だ。

■寿命を縮める習慣(1)熱い湯に入る

寒波の影響で気温の低い日が続くが、「こんなときは熱い湯につかるのが最高!」とばかり、温度が高めの湯に入っている人も多いのではないだろうか。

だが、これは命に危険が及ぶ可能性が高い。

「暖かい居間から寒い脱衣所に行って衣類を脱ぎ、熱めの湯に入る。こうした急な温度の乱高下は血圧に悪影響を及ぼし、心筋梗塞(こうそく)や脳卒中のリスクを高めてしまいます。浴槽で意識を失えば、溺死(できし)しかねません」

こう警鐘を鳴らすのは、温泉療法専門医で東京都市大学教授の早坂信哉さんだ。

人の体は、体温を常に一定に保とうとする働きがある。寒い場所に行くと、体の熱を逃がさないようにしようと、興奮したり緊張したりしたときに活性化する交感神経が優位になるため、血管が収縮する。血圧が急上昇して血管に過度な負担がかかり、血管が破れれば脳出血、詰まれば脳梗塞や心筋梗塞を起こしてしまう。

温度差による急激な血圧変動を「ヒートショック」といい、最も引き起こしやすいシーンが、冬の入浴だ。東京消防庁によると、ヒートショックなどの影響で溺れて救急搬送された人は12月から1月に圧倒的に多い。

特に高齢者は動脈硬化によって血管がもろく、硬くなっているので、若い人よりリスクが大きい。実際、厚生労働省の統計では、2019年に浴槽での溺死・溺水で亡くなった人は5690人いるが、このうち高齢者は9割を超える。

さらに高齢者の場合、血管以外にも感覚の鈍さからヒートショックを起こしやすいと早坂さんは指摘する。

「年をとると感覚センサーの機能が低下するため、温度の感じ方が鈍くなります。適温の湯加減をぬるく、熱めの湯をちょうどよいと感じてしまうのです」

しかし、感覚が鈍っても体は同じように反応する。ちょうどよいと思って熱めの湯に入れば、当然ながら血圧は上がってしまう。早坂さんによると、ヒートショックを起こさない適切な湯温は、冬場は41度以下で、42度以上になると交感神経が優位になる。湯温を事前に確認してから湯につかることが重要になる。

「もう一つ大事なのは、浴室や脱衣所を暖めること。5度以上の温度差で血圧が上がるので、居間と脱衣所の温度差はそれ以内にとどめておきましょう」(早坂さん)

居間と脱衣所には温度計を置いて、温度差があれば暖房器具を使ったり、風呂のふたを開けたり、シャワーを出して空気を暖めたりする工夫が必要だ。

■寿命を縮める習慣(2)寒い部屋で過ごす

温度による問題は、入浴時だけに起こるわけではない。早坂さんが問題視するのは、居間などの部屋を暖めない習慣だ。先の厚労省の統計では、低温が原因で亡くなる人は年間千人以上で、熱中症が原因の数とほとんど変わらない。

「コタツがあるから、あるいは着込んでいるから大丈夫と思っている人もいるでしょう。でも、WHO(世界保健機関)も18年に、室温を18度未満にすると循環器疾患の発症率が上がるとして、警鐘を鳴らしているほど部屋の温度は重要なのです」(同)

コタツはあくまでも補助的に使い、部屋はしっかり暖めること。窓から冷気が入ってくるので、窓や廊下は断熱シートなどを使って暖かい空気を逃がさないようにしよう。

■寿命を縮める習慣(3)座りっぱなし

コロナ禍で外に出る機会が減り、リモートでの仕事やオンラインの作業が増えた。それに伴って座っている時間が増えているのではないだろうか。だが、座る時間が長くなるほど死亡リスクが高まることが、さまざまな研究結果から明らかになっているのだ。

例えば成人の場合、1日の座位時間が4時間未満と比べて、8~11時間では1.15倍、11時間以上ではなんと1.4倍も死亡リスクが高くなる。また、テレビを見るために座りっぱなしでいると、1時間ごとに平均余命が推定で22分短くなるという報告もある。

座りすぎによる健康問題を研究する、早稲田大学スポーツ科学学術院教授の岡浩一朗さんは、

「週末にジムに通って体を動かしているから自分は大丈夫だと安心している人もいますが、座りっぱなしによる害は、残念ながら週末に少し体を動かすぐらいでは十分に相殺されません」

と話す。実際、1日8時間の座りっぱなしによる害をなかったことにするためには、毎日1時間以上の運動をしなければならない。

ところで、なぜ座りすぎが悪いのか。その理由について岡さんは、「太ももやふくらはぎの筋肉を動かさないことが問題」と指摘する。

「太ももの筋肉は、使うことで血糖値を正常に保ったり、脂肪の分解を促したりする働きをしますが、座りっぱなしで動かさないでいると、筋肉にスイッチが入りません。その結果、糖尿病や肥満につながりやすいのです」

さらに、座っている姿勢を思い浮かべるとわかるが、股関節や膝(ひざ)関節が曲がっている上、太ももの裏がイスに押された状態になる。それだけ血液がドロドロになりやすく、血圧も上がりやすい。

死亡リスクだけではなく、がんや認知症、心の病の発症リスクが上がることも報告されている。これを回避する方法は、「ちょこちょこ動くこと」と岡さん。

「問題はずっと座っていることなので、30分に1回は立ち上がって体を動かし、下半身の筋肉にスイッチを入れることが大事。ちょっとした用事を片付けるとか、ストレッチや屈伸運動をするとかを心がけてください」

(本誌・山内リカ)

※週刊朝日  2021年2月5日号より抜粋

AERA dot.

 

寒い所も身体は良くないのですね。

温泉療法専門医という方がいることを初めて知りました。

感謝してます。

りくりとりっぷホームページ:http://rikuritrip.net/

 

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