「成果を出す人ほどしっかり休む」の秘密?

 脳科学で明らかになったそうです。

 以下、ネットニュースより抜粋。

勉強も仕事も、やみくもに努力する人より、適度に休める人の方が実は成果を残している。上手な休息こそが、生産性を上げるためのカギである。そう語るのは、東京外国語大学大学院総合国際学研究院の岡田昭人教授。

本稿では、岡田氏の新著『学びの呼吸~世界のエリートに共通する学習の型』より、「集中」と「休息」をうまく組み合わせる習慣「ポモドーロテクニック」のメリットを解説した一節を紹介する。

※本稿は、岡田昭人『学びの呼吸~世界のエリートに共通する学習の型』(技術評論社刊)より一部抜粋・編集したものです。

ポモドーロテクニックで最大限の生産性と効率性を引き出す

「明日までに3冊の本を読まなくてはならない」
「資料の提出までもう時間がない」

決められた日時までにやらなければならないことがあるのに、「集中できない」「ほかのことに気を取られてしまう」という焦りや苛立ちに邪魔されて思考が停止してしまうことは、だれもが一度は経験していると思います。そういう時は、やみくもに努力しようとするのではなく、脳をしっかり休める必要があります。

休息が生産性を上げる

勉強や仕事中に何もしないでただボッーとしていると、「だらけている」「時間がもったいない」などと思われてしまいます。ところが、近年の脳科学の研究結果を見ると、「適度にボーッとする」ことがいかに重要であるのかがわかります。

■ウルトラディアン・リズム:90分ごとに、脳の活動レベルは休息を必要とする水準まで下がってしまう

イスラエルの脳科学者ラビー教授は、睡眠中に浅い眠りと深い眠りがあるのと同様に、日中の活動時にも集中と非集中のサイクルが交互に出現すること(ウルトラディアン・リズム)があることを発見しました。

ラビー教授は、人の日中の集中/非集中のサイクルの周期はおよそ90分であるとしています。つまり、90分ごとに脳の活動レベルは休息を必要とする水準まで下がってしまうため、適宜休息をとる必要性があるということです。

■クールダウン:頭に知識や情報を詰め込むばかりではダメ

人は学習時に、脳の中のニューロン(神経細胞)同士のつながりが強まり、思考活動が活発になります。ですが、神経細胞の数には限りがあるため、頭に知識や情報を詰め込むばかりではオーバーヒートして飽和状態になってしまい、それ以上記憶することができなくなるとされます。

そのため、学習や仕事には「クールダウン」が必要とされています。クールダウンとは、激しい運動の後に休息して体の調子を整えることや、「冷静になること」または「頭を冷やす」を意味します。

脳神経学の分野では、学習や記憶には脳の「海馬」という領域が深くかかわるとされています。東京大学の池谷裕二教授は、学習している中学生の脳のガンマ波を測定し、適度な間隔で休憩を挟みながら勉強することで集中力が回復することを発見しました。また、休憩を伴う「短時間学習」が長期的な記憶の固定にも効果を発揮していることがわかりました。

「作業25分+休息5分」を1セットとして考える

長時間にわたる作業が見込まれている時は、「どれぐらい集中すべきか」そして「休憩はどんなタイミングでとるべきなのか」が大切になってきます。そういった時間配分について指針となるのが、「ポモドーロテクニック」です。

これはイタリアのコンサルタント、フランチェスコ・シリロによって考案された方法で、ポモドーロとはイタリア語で「トマト」のことです。シリロが学生時代に、トマト型のキッチンタイマーをセットし、時間を区切って試験勉強をした経験がもとになっています。タイマーさえあればかんたんに実行できます。

シリロは、持続可能な集中時間と休憩時間の回数などを分析し、人にとって最大限の生産性と効率性を引き出せる時間が「作業25分+休息5分」であると結論づけました。この「25分+5分」の1セットを、「1ポモドーロ」とします。

4ポモドーロをこなしたら、15分~30分の長い休憩をとるようにします。そして、このサイクルを1日に数回繰り返せば、作業を効率よく進めることができます。

ポモドーロテクニックの4つの効果

ポモドーロテクニックには、4つの効果があるとされています。

1.集中時間の定着
25分という時間が決められているので、その間中ずっとほかのことを考えないで作業に集中する習慣が身につきます。

2.時間に対する不安の解消
作業時間に終わりがないと、「やり続けなければならない」という不安やプレッシャーが生じます。「25分間」という時間を設定することで、前向きな気持ちに切り替わります。

3.休息ダレの防止
休息時間が長すぎると、かえってダラけてしまいます。休息も「5分間」と決まっているので、またすぐ作業に入る気持ちに戻ります。

4.時間内のキャパシティの把握
ポモドーロテクニックの習慣が身につくと、自分が一度にこなせる作業量や作業にかかる時間の目処がわかってきます。「25分間で報告書1枚」というように自分の処理能力を把握しておけば、さまざまな作業で目途が立てやすくなります。

ポモドーロテクニックを実践してみよう

以下の5つのステップに沿って、ポモドーロテクニックを練習してください。

1.実行するタスクを決める(例:報告書を作成する)
2.タイマーを25分に設定する
3.タイマーが鳴るまでタスクをおこなう
4.5分間の休憩を取る
5.ポモドーロを4回こなした後に、長い休憩(20~30分)を取る

コツとしては、まず必ずタイマーを使用することです。携帯のアプリにもあるので、ぜひ試してみてください。

休息時には「まったくなにもしない」ようにすることも大事です。その時間帯に別の作業をしたり、あれこれ考えたりすると、脳が休む時間をとれず、疲労してしまいます。深呼吸する、瞑想する、お茶を飲むなど、仕事とはまったく関係ないことをして、脳を休ませてください。私の場合は、ヨガ教室で学んだ瞑想をするようにしています。

電話や来客などで、やむをえず作業を中止することがあります(「外的中断」と呼ばれます)。また、「メールをチェックしなければならない」「だれかに連絡する必要を急に思い出した」など、自分の意思で止めてしまうこともあるでしょう(「内的中断」と呼ばれます)。こういった中断があると、ポモドーロの効果がなくなってしまいます。

シリロは、特に「内的中断」には注意しなければならないとしています。なぜなら、心に焦りや不安をもったままで作業を進めようとすれば、気が散ってしまい、今やっていることを先延ばしする原因につながってしまうからです。

休息にはなにをすればいいのか

休憩にどのようなことをするのかについては、さまざまな研究がされています。

・立って歩く
肉体労働を除くと、大半の人は勉強や仕事をする時は「座りながら」取り組んでいるでしょう。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校のシッダー氏らは、幅広い年齢層の男女を対象とした調査によって、「座りすぎ」が記憶形成に悪影響を及ぼしていることを明らかにしました。1時間に5分程度歩き回るだけで、副交感神経が優位になり、脳にリラックス効果がもたらされるとされます。

・水分補給
米コネチカット大学のアームストロング博士らは、身体の水分不足が原因で集中力やモチベーションが減退する可能性を指摘しています。対策として、学習に集中する前に「0.5リットルの水分補給」が作業効率を高めることが明らかにされています。喉が乾いている自覚がなくても、身体からは常に水分が失われ続けているので、休憩時はこまめな水分補給を心がけることが大切です。

・瞑想
最近では瞑想によって思考や意思決定などを担う脳の部分が活性化され、ストレスホルモンが抑制されるといった効果が実証されています。リラックスした姿勢で、呼吸に意識を集中させ、ゆっくりと深く息を吸ったり吐いたりするようにします。頭に何か考えごとが出てきたとしても、その状況を慌てずに受け入れ、意識をゆっくりと呼吸へと戻し、繰り返すことで、安定した気持ちになるとされます。

岡田昭人(東京外国語大学教授)

PHPオンライン衆知

 

集中するにも、テクニックがあるのですね。

休憩時間の過ごし方にも気をつけることが必要なのですね。

感謝してます。

りくりとりっぷホームページ:http://rikuritrip.net/

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