努力が「続く人」「続かない人」たった1つの違いとは?

実は「ちょっとした視点のクセ」が決め手だそうです。

以下、ネットニュースより抜粋。

勉強、仕事、筋トレ…やる気はあるのに先延ばししてしまう。多くの人が抱えるこの悩みに、心理学の視点から答えるのが、新刊『すぐやる人の頭の中──心理学で先延ばしをなくす』だ。著者は、モチベーションの研究を専門とする筑波大学人間系教授・外山美樹氏。本稿では、本書より一部を抜粋し、「モチベーションを高める目標の持ち方」を紹介する。

● モチベーションの持続には、「進捗の自己監視」が不可欠

どんな目標であっても、達成するために欠かせないことがあります。

それは、「どれだけ自分が進歩したかをモニタリング(自己監視)する」ということです。

目標にどれだけ近づいているかがわからなければ、ゴールには到達できません。

目標達成に向けて、ただがむしゃらに努力するのではなく、日々、どれだけ進歩したのかを確認する必要があるのです。

どれだけ自分がうまくやれているのかがわからなければ、行動を見直すこともできませんし、やる気を持続させることも困難です。

これは私たちの脳の働きからして自然なことです。

● 無意識のうちに、脳は「現実」と「理想」の距離を測っている

脳は無意識のうちに「今の自分の状態」と「自分が望む、好ましい状態」を比べています。

そのおかげで、その2つの間に距離がある時には、自然にさまざまな反応ができるのです。

距離を近づけるように注意を向け、情報を処理し、努力する……といったようにです。

しかし、目標までの距離が把握できないなら、今の自分とのギャップを意識することはできず、ギャップを埋めるための行動をとるべきかどうかを判断できません。

その結果、「やる気が出ない」「集中できない」といった状況になってしまうのです。

どれだけ今の自分と理想の自分が違うのか、その距離を把握することが重要です。

どれだけ離れているかがわからなければ、何も始められないのです。

● 2つの進捗の捉え方――「これまで思考」と「これから思考」

ここからは、目標追求時に重要になってくる進捗の捉え方について考えていきます。

進捗を確認する方法は、いくつかあります。

たとえば、10キロマラソンの6キロを通過した時点で、「これまで6キロ走った」という捉え方もあれば、「これから、4キロ走らなければいけない」という捉え方もあります。

5キロの減量を目指している人が、2キロの減量に成功した際に、「これまで2キロ痩せた」という捉え方もあれば、「これから、3キロ痩せなければいけない」という捉え方もあります。

このように、目標達成に関する進捗の捉え方には、2つの種類があります。

● ①これまで(to-date)思考

1つは、目標の開始状態(目標追求を開始した時点、スタート地点)を基準として、これまでの進捗に注目する「これまで(to-date)思考」です。

「これまで6キロ走った」や「これまで2キロ痩せた」というものが「これまで思考」です。

● ②これから(to-go)思考

もう1つは、目標の最終状態(目標を達成した時点、ゴール地点)を基準として、これから生み出す必要のある進捗に注目する「これから(to-go)思考」です。

「これから4キロ走らなければいけない」や「これから3キロ痩せなければいけない」が「これから思考」です。

● スタートからの距離か? ゴールまでの距離か?

すなわち、「これまで思考」とは、目標達成に関する進捗を捉える時に、どこまでやり遂げたのかといった、これまでに進んだ距離に視点を向けるものです。

一方、「これから思考」とは、あとどれだけやらなければいけないのかといった、目標までの距離に視点を向けるものです。

「これまで思考」も「これから思考」も、現在の進捗を確認するためにはどちらも重要であるように感じられますが、ここで注意が必要です。

「これまでに達成したこと」と、「まだ達成していないこと」のどちらに目を向けるかで、モチベーションに大きな違いが生じるのです。

● どっちに目を向けるとモチベーションが上がる?

では、ここで質問です。

「これまで思考」と「これから思考」、どちらが目標達成に対するモチベーションが高まると思いますか?

現在手を付けている仕事や課題、資格取得のための勉強、ダイエットなど、ぜひ皆さん自身が取り組んでいる目標に当てはめて、具体的にイメージしながら考えてみてください。

● 距離が近いほうを見る

実は、どちらか一方の思考が常に有利であるといった単純な話ではありません。

というのも、効果的な考え方は進捗状況によって異なるからです。

具体的な心理的作戦はこうです。

今、自分がスタート地点とゴール地点のどちらに近いかを比べて、近いほうに目を向ける。

そうすることで、「これまで取り組んできたことが、ちゃんと成果につながっている」と実感しやすくなり、モチベーションが向上しやすいことがわかっています。

● 現在地が、スタート地点に近い場合

たとえば、10キロマラソンに挑戦している最中に、まだ3キロしか走っていない進捗の少ない段階では、〈現在地(3キロ地点)〉から見ると、〈ゴール地点(10キロ地点)〉よりも〈スタート地点(0キロ地点)〉のほうが距離が近いです。

そのため、基準点を〈スタート地点〉にして、「これまで3キロ走った」と捉える「これまで思考」を使ったほうがやる気が出やすくなります。

● 現在地が、ゴール地点に近い場合

同様に10キロマラソンに挑戦している最中に、すでに7キロまで走った進捗の進んだ段階では、〈現在地(7キロ地点)〉から見ると、〈スタート地点(0キロ地点)〉よりも〈ゴール地点(10キロ地点)〉のほうが距離が近いです。

そのため、基準点を〈ゴール地点〉にして、「これから3キロ走ればよい」と捉える「これから思考」を用いたほうがやる気が出やすくなります。

● 状況に応じた、効果的な心理的作戦を知っておく

このように目標追求の進捗状況に応じて、どちらの思考を使ったほうがやる気が高まるのかが異なります。

現在地から〈スタート地点〉と〈ゴール地点〉のどちらが距離が近いのかを見極めて、用いる作戦を使い分けることが必要です。

※本稿は、『すぐやる人の頭の中──心理学で先延ばしをなくす』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

外山美樹

ダイヤモンド・オンライン

 

 

状況に応じて効果的な考え方ができるようにしていきたいですね。

感謝してます。

りくりとりっぷホームページ:https://rikuritrip.net/

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