「緑茶」に認知症予防効果?

多く飲む人は脳の血流低下が少ないそうです。

以下、ネットニュースより抜粋。

脳ドックなどで頭部MRI検査を受けたところ、脳の血流低下を示す「大脳白質病変」が認められ、生活改善や高血圧に対する治療を勧められた、という話を耳にしたことはないでしょうか。このほど金沢大学などの研究者たちが約8800人の日本人を対象に行った研究(*1)で、緑茶をたくさん飲んでいる人は白質病変の容積が小さいことが明らかになりました。

●緑茶、コーヒー、紅茶と脳の血流の関係は?

MRI検査で検出される白質病変とは、脳の虚血(血流不足)状態を示すもので、年齢相応の変化の程度を超えて進行している場合には、脳卒中や認知症(血管性認知症とアルツハイマー型認知症)の危険因子と見なされます。ひとたび出現した病変は改善しませんが、高血圧その他の生活習慣病の改善を図れば、進行は抑制できると考えられています。

緑茶とコーヒーは、加齢による認知機能低下の緩和に役立つと期待されていますが、高齢者におけるこれらの摂取と脳の変化との関係は十分に検討されていませんでした。そこで金沢大学の柴田修太郎氏らは、認知症ではない高齢の日本人の脳MRIデータを使用して、緑茶、紅茶、コーヒーの摂取と大脳白質病変の容積、海馬(記憶を司る部位)の容積、および全脳容積との関連を調査することにしました。

●日本の高齢者約8800人の脳MRI画像を分析

分析対象にしたのは、日本国内の8地域で行われた大規模認知症コホート研究「JPSC-AD」に参加した65歳以上の人々です。このうち、2016~2018年の参加時点で認知症ではなく、緑茶、紅茶、コーヒーの摂取量が記録されていて、評価可能なMRI画像が利用できた8766人を対象にしました。

8766人のうち91.6%が日常的に緑茶を飲んでおり、82.0%がコーヒーを、19.2%が紅茶を飲んでいました。紅茶摂取者は少なかったため、MRI画像との関係に関する分析は行いませんでした。

対象者全員の緑茶摂取量の中央値は1日450mL、コーヒー摂取量の中央値は1日150mLでした。緑茶、コーヒーの1日あたりの摂取量に基づいて、参加者を「200mL以下」「201~400mL」「401~600mL」「601mL以上」に層別化しました。

1人1人の頭の大きさの違いの影響を排除するため、MRI画像から算出した大脳白質病変の容積、海馬の容積、全脳容積を、本人の全頭蓋内容積に対する比にして、緑茶、コーヒーの摂取量との関連を検討しました。

緑茶の摂取量が多い人ほど白質病変も少ない

年齢、性別、学歴、BMI(体格指数)、高血圧、コレステロール値、運動習慣、喫煙習慣、飲酒習慣などを考慮して分析したところ、緑茶の摂取量が多い人ほど大脳白質病変の容積比が小さいことが示されました。

緑茶摂取量を横軸、大脳白質病変の容積比を縦軸として、両者の関係をグラフに表したところ、1日200mLの人に比べ、1日600mLの人では0.97倍、1500mLの人では0.94倍と、大脳白質病変の容積比が有意に小さくなっていました。

一方、コーヒーについては、摂取量と全脳容積比、海馬の容積比、大脳白質病変の容積比の間に統計学的に有意な関係は認められませんでした。

既に疫学研究では、緑茶の摂取が認知機能低下の遅延に関係することが示されています。また、白質病変の危険因子としては高血圧が最も重要と考えられていますが、先に行われた研究で、日常的な緑茶の摂取が、収縮期血圧(最高血圧)を6.22mmHg、拡張期血圧(最低血圧)を2.36mmHg低下させることなどが示唆されていました。したがって、「緑茶の摂取は、高血圧を改善させることにより白質病変の軽減に寄与している可能性がある」と著者らは述べています。

緑茶が認知症の予防に役立つ可能性についてはさらに研究を進める必要がありますが、著者らは「1日あたり600mL以上の摂取を目指すと利益が得られるのではないか」との考えを示しています。

*1 Shibata S, et al. NPJ Sci Food. 2025 Jan 7;9(1):2.

(大西淳子=医学ジャーナリスト)

日経グッデイ

 

 

お茶は身近な飲み物ですね。

感謝してます。

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