『いい人』には2種類いる

幸せになれる「いい人」の方が良いです。

以下、ネットニュースより抜粋。

新たな出会いも多い新年度だ。「自分は、いい人でありたい」と考える人は多いだろう。しかし注意も必要だ。
マーケティング戦略コンサルタントであり、『世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた』の著者でもある永井孝尚氏によると、「『いい人』には2種類いる。中には燃え尽きてしまう『いい人』もいる」という。そこで、成功する「いい人」と、燃え尽きてしまう「いい人」の違いについて語ってもらった。(本記事は、同書の一部を再編集したものです)

■パイを2人で切り分けるときにわかる3つのタイプ

「いい人でありたい」と思っている人は多いはず。しかし世の中には、成功する「いい人」と燃え尽きてしまう「いい人」がいる。この違いを理解しないとなかなか成功しない。

このことを教えてくれるのがアダム・グラントの著書『GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代』だ。ちなみにグラントはビジネススクールとして世界で最も高い評価を受けるペンシルベニア大学ウォートン校で最年少の28 歳で終身教授になった組織心理学者である。

グラントは「そもそも人には3種類いる」と言う。これはアップルパイを2人で切り分けるときの行動でわかる。

① テイカー:自分が多めに取る。「全部オレのモノ」というジャイアンタイプ。「世の中は、全体のパイの大きさは決まっている」と信じ、「だから勝つか負けるかが大事だ」と考えている。
② マッチャー:平等に2等分する。冷静に損得を公平に考えるタイプ。「平等・公平であること」を重視し、常に相手とのバランスを考える。

③ ギバー:相手に多めに与える。常に他人に与え続けるお人好しなタイプ。他人中心で、相手が何を求めているかを常に考える。
現実には、人は状況により3つの顔を使い分けている。子供には親としてギバーになり、価格を値切る場合はテイカーになる。しかし仕事ではどれか1つのスタイルになる。

仕事で他人とどのように接するかで、その人がどのタイプかがわかる。テイカーは上司には従順だが部下を支配する。ギバーは誰に対しても与えようとする。

テイカーが一番得をし、ギバーは常に損するように見えるが、グラントは逆に、「成功するのは、常に相手の立場で考えるギバーだ」という。ただしギバーが常に成功するとは限らないのが、重要なポイントだ。

グラントがエンジニアを調査した結果、最も生産性が低いエンジニアはギバーだった。常に他人を手伝い、自分の仕事は後回しにする。しかし最も生産性が高いエンジニアもギバーだった。テイカーとマッチャーはほどほどの成功にとどまった。医学生、販売業などさまざまな分野でもこのパターンは変わらなかった。

あのリンカーンも希代のギバーだった。選挙ではあろうことか他陣営を応援し、落選することもしばしば。しかし歴史に残るアメリカ大統領になった。

■成功するギバーと成功しないギバーの分かれ目は?

世の中には、余裕がないのにボランティア活動に身を捧げる人がいる。その献身は尊いが、中には「他人の幸せの前に自分の幸せを考えようよ」と言いたくなる人もいる。自己犠牲で与え続けるギバーは燃え尽き、なかなか幸せになれないのだ。

成功するギバーは他者に与えるだけではない。他人の視点でモノゴトを見て、全体のパイを大きくすることを考える。自分の利益も同時に考え、ともに勝つウィンウィンを目指す。だから最後には大きく成功する。リンカーンが他陣営を応援したのも、自分の政策を実現しアメリカをよくするためだった。

つまり成功する「いい人」は、「他人の利益と自分の利益を同時にウィンウィンで考え、全体のパイを大きくするギバー」であり、燃え尽きる「いい人」は、「自己犠牲で与え続けるギバー」なのだ。

一方でテイカーは「パイの大きさは変わらない」と考え、勝ち負けにこだわる。「パイを大きくする」という発想に辿り着けないので、独り占めを目指す。中には相手の利益を考えずに自分中心に考え、こう言う人もいる。「これをやると、お互いにウィンウィンですよ」。これはまさにテイカーやマッチャーの発想そのものであり、実はウィンウィンではない。自分の損得しか考えていないからだ 。

配偶者や交際相手がいる人に、相手との関係を維持する全努力のうち、自分の努力が何%か尋ねた調査がある。互いの貢献を正しく評価できれば自分の答えと相手の答えは合計100%になるはずだ。

しかし4組に3組のカップルは合計100%を大幅に超えるという。人は悪気がなくても自分の貢献は過大評価し、他人の貢献は過小評価する。これを行動経済学で「責任のバイアス」という。成功するギバーはこのことを知っている。だからうまくいかないときは自分が責任を負い、うまくいっているときは他の人を褒める。ちなみにジム・コリンズが名著『ビジョナリー・カンパニー2』で紹介した「第5水準のリーダーシップ」も、これと同じ考え方をする。

また、ギバーであることは幸福感にもつながる。24歳以上のアメリカ人2800人の調査では、ボランティア活動の1年後には幸福度や人生の満足度が上がり、うつ病が軽減したという。またボランティア活動をする高齢者は長生きすることも確認されている。

「なるほど、ギバーは得なのか!  これからはギバーになろう」と思うかもしれない。しかしギバーが見返りを得るまでの時間は長い。「ギバーとして行動しているのに、見返りがないじゃないか!」と思ったとしたら、それはテイカーやマッチャーの考え方だ。

優れたリーダーはギバーが多い。世の中はますます透明になっている。SNS普及のおかげで、あなたがギバー・テイカー・マッチャーのどのタイプなのか、他人には丸見えである。こんな時代だからこそ、本書の考え方を理解したい。

永井 孝尚 :マーケティング戦略コンサルタント

 成功する「いい人」は、他人の視点でモノゴトを見て、全体のパイを大きくすることを考える。

自分も他人も幸せにして、成功する「いい人」が良いですね。

感謝してます。

りくりとりっぷホームページ:http://rikuritrip.net/

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