「効力感を持つ」とは

「ナイス・エイジング」とはどんなことでしょう?

以下、ネットニュースより抜粋。

西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。老化に身を任せながら、よりよく老いる「ナイス・エイジング」を説く。今回のテーマは「効力感」。

*  *  *
【ポイント】
(1)生きるのが面倒になるのは無力感を持つから
(2)効力感を持てれば生き生きとした気持ちに
(3)自律性の感覚と他者との暖かい交流が必要

「最近、生きるのが面倒になってしまって」という嘆きを患者さんから聞くことがあります。実は私は、生きることに「かなしみ」を感じることはありますが、「面倒になる」という感覚を持ったことがありません。しかし、そのような気持ちを抱いたなら、ナイス・エイジングどころではなくなってしまいます。そういった事態を避けるにはどうすればいいのでしょう。

そんなことを考えながら、いつも行く神田神保町の書店で本棚をながめていると、『無気力の心理学』(中公新書)という本が目に留まりました。著者は波多野誼余夫さんと稲垣佳世子さん。

実はこの波多野さんは大学の同級生で、一緒に心理学を学んだことがあります。その後、私は医学部に進み、波多野さんは心理学の専門家になったのです。

この新書の奥付を見ると初版は1981年1月25日、2018年12月20日に34版、2020年1月25日に改版発行です。30年を超えるロングセラーなのです。

もちろん、内容がいいのでしょうが、「無気力」というテーマも長年にわたって関心を持たれているのでしょう。私自身は縁がない「生きるのが面倒になる」、つまり「無気力になる」ということが、いかに重要な問題なのかよくわかりました。

この本では無気力になるのは、無力感を持つからであり、その反対に効力感を持つことが必要だと論じています。

つまり、生きていても何もできないと感じると、生きるのが面倒になる。逆に周りや自分自身を変えられるという効力感を持つことができれば、生き生きとした気持ちに変わって、希望にあふれた生活を送れるというのです。

人生も後半になれば老化が進みます。老化とは昨日できたことが、今日はできなくなるということですから、無力感が拡大するのは当然のことです。老化と向き合いながらも、効力感を持ち続けるためには、どうしたらいいのでしょうか。

それには二つのことが必要だというのです。

一つは自律性の感覚です。つまり私が自らはじめたという感覚です。人間には自分は自分の行動の源泉でありたいという気持ちがあり、行動の主人公でありたいというのが基本的な欲求だというのです。

他人から言われてやったり、報酬のためなど見返りを求めて何かをやったりしても、効力感は得られません。何より自分はこれをやりたいと、内からの欲求で選び取ることが大事なのです。

もう一つは他者との暖かい交流です。自分がやったことを周りが認めてくれて、関心を持ち感謝してくれる。こうしたことにより、自分に存在意義を感じて、生き生きした活動を生み出すというのです。

年をとるにつれて、やりたいことがなくなったり、周りとの交流が少なくなったりしていないでしょうか。それでは効力感を持てません。

ナイス・エイジングにとって、大敵であると自覚すべきなのです。

※週刊朝日  2020年2月21日号

AERA dot.

 

いつまでも、元気に楽しく過ごしたいです。

そのためには、自分から動くことや人との暖かい交流がとても大切になるのですね。

感謝してます。

りくりとりっぷホームページ:http://rikuritrip.net/

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